こちらはこの記事の続きです。
お店ができるまで
元々、寺岡さんはご家族の名義だった一軒家を相続されました。そこで
「ここは思い出が詰まった大切な家。周りの方は、売却したり、駐車スペースにする事を勧めるものの、自分は解体したり失くさず維持をしていきたい。
でもお金を生む仕組み(起業?)をどうすればいいかわからないんです!」というご相談で私の元にいらっしゃったのがきっかけです。
その後、検討された後に、チアフルプロ(Cheerful pro)の女性起業スクールにて、ビジネス知識の学びをスタートされました。
場所を活かすためのビジネスアイデア、ビジネスモデル、運営計画を何度も練り直すこと半年。この作業をやっている時は、皆さん頭から湯気が出ています。(笑)
その中でも、寺岡さん自身の「価値、強み」「才能」「なぜやるのか?」を深掘りし、自分自身に向き合う時間も沢山とっていきました。自分と向き合うのは怖いところもあり、知らない自分を知る、自信の源を見つける大切な時間でもあるので、ここは時間をかけて取りました。
カフェや本屋など、色々考えましたが、最終的に「絵本サロン」というアイデアにまとまりました。
そこからは現実的な行動、変化を次々と起こします。整理収納アドバイザーさんを始め、色んな専門家の力を借りながら、お家を整理、内装や外装の工事をし、同時に周りの人への声かけ、SNSの発信や無料イベントの開催を経て、開店まであと一歩のところまで来ました。
が、この時期です。そうです、コロナですよ。
もう真っ只中でのOPEN予定だったので、事業そのものへの不安・課題を乗り越え、様々な調整、衛生管理をして、ひっそりと開店したのでした。
不安な時、人はどうしても「やらない理由、やめる理由」を考えてしまいます。しかし、寺岡さんは結果立ち止まらなかった。そこが、起業を実現する人としない人の大きな差だなと、私は感じます。
現状
まだコロナ禍なので、影響を受けながらの営業ではあります。サロンの営業日や環境を調整しつつ、マイペースに運営されています。
最初は色々手伝いをさせてもらったこともあり、訪れる方のほとんどを把握していた私でしたが(気持ち悪いですね(笑))、現在はファンが徐々に増え、ご自身で縁を広げた方々が訪ね、人々に愛される場所になりつつあります。
SNSのタイムラインでも偶然、絵本サロンを発見!
そうそう、SNSのタイムラインで、この「絵本サロン」についてファンの人がアップしているのも見かけるようになりましたよ。起業時は当然自分のビジネスについて発信するのは自分1人だけですが、少しずつその熱量が人に伝わり、ファンが「ここで素敵な体験をしたの!」「この事、人に知ってもらいたい!」と思ってもらい、SNSで拡散される。現代の理想的なPR形態ですね。
また、ご自身のブログからの問い合わせがあったりと、知り合いの外の外にまで、少しずつ認知が広がってきたようで、益々これからが楽しみです。
<POINT>女性起業家コンサルタント 橋本かんなのビジネス的視点
実はここのような「コミュニティースペース」をやってみたい、というご相談はたくさんいただきます。人が集まる場所、相談ができる場は人間にとって必要不可欠なものかもしれまセん。
やりたいことはぜひチャレンジして欲しいと思うのですが、私も専門家の端くれとして、正式に「コミュニティースペースの起業」サポートさせていただく時は、ある条件があります。
それは「家賃が0円スタート」だということです。
起業後の支出は大きく分けて2種類あり、それは「固定費」と「変動費」です。事業の継続で最も慎重になるべきなのは「固定費」です。
固定費は家賃、雇用したスタッフの人件費、専門家の顧問料、リース料など、種類は様々ですが、売上がゼロでも固定費はかかります。
特に起業時は「今月まだ売上ゼロ、利益マイナスだ」ということも起こりうるでしょう。前述した家賃は「かかって当たり前という一般的な認識」「ちゃんと交渉しないと下げにくい」ので、支出の中でも一番厄介なモノです。
ですので、コミュニティースペースの起業時は「家賃がかからない場所がある」「支出は変動費でスタートする」ことが、女性が小さく始める時の(私の中の)絶対条件にしています。(エステ等、高単価で利益率の高いサービス提供が主な方は話は別です。コミュニティースペースとビジネスの性質が異なります。)
場所が必要なら、レンタルスペースを都度借りると良いでしょう。「物理的な場所」ではなく、オンライン上で場を提供することも「コミュニティースペース」の運営です。
その方のやりたいことが、リアルの固定の場所がどうしても必要、かつ「必ずそれをやりたい強い思いがある」方は、やむを得ないでしょう。出来るだけリスクを最小限にする方法を模索しながらお手伝いをします。
しかしあなた自身がそうではなく、「ちょっとやってみたい」というモチベーションならば、「家賃0円スタート」でできないか?をちゃんと考えてからスタートすることをお勧めします。ちょっと硬い話になりましたが、こういう現実的なお話も授業や相談の場でさせてもらっていますよ。
何はともあれ、こうしてやりたいこと、思いが形になり、その思いやサービスに人が共感し、喜ぶ人が増え、自分自身が幸せを感じられる」これこそが起業の醍醐味。
チャレンジする女性を応援する私の理由の一つでもあります。
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